2011年2月26日土曜日

引越しツール

何度かソフトウェアRAIDのメンバーディスクが壊れたり、RAIDのそのものの容量が足りないなんてことはサーバ管理では日常茶飯事なので、緊急修理が終わると安心して暫くは放ったらかされることもある。そうすると本当に引越しをしないでだらだら運用してしまうのでよろしく無い。思いついた頃にはまた再度ファイルシステムをコピーしなくてはならない。ツールがあった方が楽だ。

ツールを考えたので取り敢えず出してみる。これはファイルシステムの引越しを単純に行うだけのツール。すでにディスクの設定の殆どは終わっててアクセスできる状態になっていることが前提だ

1./etc/migfstab

こんな形式のファイルを作る。移行先は何らかのファイルシステムにマウントする。

移行元物理パーティション 移行元ファイルシステム 移行先物理パーテーション 移行先ファイルシステム

例:

/dev/mirror/gm0s1a / /dev/mirror/gm1s1a /mnt
/dev/mirror/gm0s1d /tmp /dev/mirror/gm1s1d /mnt/tmp
/dev/mirror/gm0s1e /var /dev/mirror/gm1s1e /mnt/var
/dev/mirror/gm0s1f /usr /dev/mirror/gm1s1f /mnt/usr

2.migration.sh

#!/bin/zsh

while read i
do
echo $i | awk '/^\//{ print "/sbin/newfs -U " $3 }'
echo $i | awk '/^\//{ print "mount " $4 " " $3 }'
echo $i | awk '/^\//{ print "dump -L -0 -f- " $2 " | ( cd " $4 "; restore -r -v -f-)"}'
done < "/etc/migfstab"


使用法: いまんところ、サブシェルに喰わせるコマンドを吐き出すようにしているから、シェルコマンドラインにリダイレクトすればよい。

何が行われるか確認したい場合は、単にシェルスクリプトを起動すれば良い。

例: migration.sh | /bin/zsh


10分くらいで作ったけど、何回使うんだろうか。これから出番が増えそうなので(汗 事故が無いように願いたい。 

2011年2月25日金曜日

プロクルステスの寝台 〜 ITに対する投資はなぜ大切なのか。

賢明な読者なら、当然その理由は判っているだろうが、最近この手の投資渋りが弊社の顧客である中小企業に目立って来ているので敢えて一つ書いてみるものである。

1。情報インフラに対する過剰投資に対する懸念

 現状で情報インフラに対する過剰投資が起きている現場があるとしてどのような弊害があるだろうか。 過剰投資そのものを抑制する理由はその投資に対するリターンが明確ではないからであろう。 明確ではないどころか快適性に寄りかかって業務の本質を外れると考える向きもあろう。無論景気拡大が見込まれない場合の投資は慎むべきであるが、人的資源の質的向上が望めない現状で、人的資源を直接サポートする情報機器への投資が過剰に見える場合も少なくない。しかしそれは見当違いも甚だしい場合がある。「自分が知っている」と考える範囲でさしたる問題が見つけられない為に「投資の必要が無い」と考えてしまうのである。創業者世代はその点で「知らないものは専門家の判断に任せるべき」という安全則に従って一見過剰投資であってもそれがインフラならば当然であるという考えで来たのだが、その後から続く、次世代の経営層の担い手は、生まれた時から恵まれた世代であり、苦労して手に入れることも少なかったがために、手軽に使えるPCが普及したこと、つまり家庭一般向けに普及したPC機材の価格の低下に眼を奪われがちである。「信頼性」「即応性」という面を考えることはあっても、以前のような高額な機器でなければならない理由がなくなったために、その実質の価値そのものを過小に見積もっているようにすら見受けられる。ゼロアドミニストレーションが進んだ事で、自分たちの知識レベルで対応可能な範囲でのみ利用するという「素人考え」による情報系管理が一般化してしまった企業が多々ある。これらの企業では大々的なIT投資はもうなされないであろう。 無論、サイズにあった企業内情報管理の再構築は必要であるが、その物的、人的コストを甘く見ている事が裏目になっている場合もすくなくない。

2。現状の問題を単純に理解できる例とは→ 情報量の単調増大にすらついて行けてないこと

 現状の投資対象であるインフラの陳腐化は、想像以上に速い。この数年で扱われるデータ量の増大ももちろんだが、機器の性能が劣化するよりも先に、日々蓄積されたデータが常に捨てられず雪だるま式にふえているという事に尽きる。 過去のシステムでの常識ではあれば「一回〆をおこなった会計データなどは電子的アクセス手段の可能な記憶媒体からパージされる」などの規約によって保護されていた。しかし情報系インフラでは蓄積こそが意味をなすのであり大量の過去資料を保存しておかなければならない事情が年々増えている。

製造業では常に製造工程の図面や不具合製品の記録写真などを大量に保存して行かなければならないにもかかわらずリーマンショック以来の景気後退に伴って大幅な情報インフラへの投資が十分に行われていないケースが目立つ。


3。経営層の情報インフラに対する感覚の鈍摩

 現状で情報インフラが充実してしまったと勘違いする企業経営者が増加していると見られる状況には、老化という一言で済ませられない大きな問題が横たわる。無論ITバブルの記憶を忘れないならば、最近かまびすしい「クラウド化」などの耳障りの良い新しいテクノロジーに乗れば良いなどという「まことしやかな嘘」にも、簡単にはのせられないぞというある種の賢さが備わったと自負している方も居るだろうが、現状の「情報量拡大に対する単純なリニアな投資維持」ということすらもなされなくなってしまうのは、非常に危険なサインであるは考える。 光ファイバなどの普及で、既に企業間の情報伝達能力は高まっているし、事実上インターネットやPC無しに暮らす事が一日たりと出来ない現状にあるにもかかわらず、その維持に必要な投資が出来ないという最悪のパターンで進行する企業活動が時折見られる。これは、人間で云えば過度なストレス回避、必要十分な刺激を得ようとする努力を怠って廃用性萎縮の悪循環に陥るのと同じである。企業における神経の劣化により、企業内でのあらゆる応答性が悪くなってしまうのである。具合的例を上げれば、メールなどのインフラに関する予算削減も大問題である。 企業間コミニュケーションにおける電話なども本来個人の職責に関わる内容の質問が主になるのだが、これについても旧態依然たる中小企業では即時には追跡不可能であり、昨今一般化されつつあるメールアドレスで個人識別がなされてようやく、外部との業務に関わる円滑な情報交換が出来ているのにも関わらずである。業務の属人化を嫌っても中小企業のレベルでチーム化分業がなされてなければ、当面業務の執行は、個人の能力に帰されるのであるからこの点が全く配慮されていなければいずれ問題になる。最終的に経営層の情報管理能力の不在があらゆる困難を生じさせるであろう。

4。現場の悲鳴

情報インフラの劣化による、企業活動の応答性劣化とはこのような事態の連鎖を引き起こし悪化するだろう。
 
1) 前線(事務職)に配布されている機材が劣化し、故障もしくは応答が悪いために、従業員の作業環境が悪化する。
2) 劣化環境に対する十分な補充がなされないため、ある種の業務が滞り、製造能力、競争力を失う。
3)作業環境の悪化による、従業員能力の低下(作業効率)および士気低下(怠業/サボタージュ)の発生
4) 部門収益悪化による、更なる投資後退と悪循環

5。新人職員雇用に際する投資渋りがさらに悪循環を招くケース

 例えば新人職員雇用を行う場合にも、「旧機器があるからそれを割り当てる」という判断が行われるケースを考えよう。この判断がいかに間違っているかは、次のような障害事例によって明らかになる。

1)古い機材は、クリーンアップされても劣化しているために障害発生の確率が高い。
2)新人職員は、機材の取り扱いになれておらず障害対応能力を期待するのは大きな誤りである。
3)古参職員が、新人職員の指導だけでなく、古参職員なら対応可能だったはずの些細な障害対応に狩り出されてしまう。
4) 新人職員は、職場環境として与えられた機材を見て判断する。充分な待遇を受けてないと誤解し勤務態度への影響が懸念される。
5)3)と4)により、生産性の低下、残業の増加などの悪影響が高く、新人/古参の別なく職員の士気低下につながる。

投資によって起きる損失をはるかに上回る損失が発生することは火を見るより明らかである。無論新規機材を割り当てられても、新規雇用者の能力が発揮されるまでの期間は全く無駄になるかもしれない。だがなにより新規雇用者が些細な問題で躓く可能性を小さくすることは組織の強化につながることを忘れてはならない。
 
6。最低限行われるべき投資とは何か。

下記の点については、即時手当てされるべき内容であると考える。

1)5年以上運用したPCの撤去、新機材の導入
多年利用したPC環境は、すぐに利用しやすくても、物理的な取り扱いデータの増加に耐えることが日々困難になる。いずれ交換しなくてはならないのであれば、溜まりすぎる前に行うべきである。壊れたら何倍もの労働時間を損失し特別な処理費用を発生させる事は明白である。計画的に交換すれば、予算内で安全に処理される。損失する時間も十分に計画されていれば小さくできる。
 
2)サーバの強化(計算力、容量)
無論、利用している情報ファイルの整理は必要だ。しかしそれを整理する時間より新しい機材に置き換える方が人的資源を節約できる事は皆よく知っているはずだ。増大する情報を瞬時に取り扱えるだけの性能がサーバに無ければクライアントを新調しても無駄になってしまう。だから、1)で行った新機材導入と同時に新サーバを追加するか取り替えること。

3)新しい種類の端末(スマートフォン/タブ型)に備える事
現場での新しい情報処理がブレークスルーを起こす事はまだあるはずである。Excelは手軽な数値計算の一般化で革命を起こしたが、次にくるであろう革命は、タッチパネル型/携帯機材の普及によるものであると思われる。 タッチパネルのついた高速な処理可能な端末は今までのタッチパネルダム端末とは桁外れに高速で大量の計算が出来る。音声認識や人工音声なども楽々扱える。それらは状況判断に必要な大量の情報を瞬時に整理し現場の作業員をアシストする事になるだろう。この数年で普及したスマートフォンが外出の際のあらゆる情報をその場その場で即座に取り出せるようになって来たように、現場に持ち込んだFA対応スマートタブレットが、故障状況、利用状況、製品情報、過去履歴などを示して作業者を支える時代が来ている。そのようなソリューションは安価に提供されるので利用しない方が困難になる可能性すらある。今は手元になくとも時期が来たら直ちに投入可能なだけの知識とインフラが必要である。無線LANインフラなどの充実が必要になってくるかもしれない。

4)投資によるリターンを正しくとらえる事。
今の時点で、現場に新しいPCが来てもほとんどの能力は使われないはずである。私の感覚で云えば3年前の機材でも十分仕事になるだろう。そういう投資は一見無駄かもしれないが3)で発生するであろう革命的な情報の増加に従来インフラが耐えられなければ意味が無いのである。画像データや大量に集まる数値データを図式化するアプリケーションの為の投資である。そして現状維持の為にも新陳代謝の大事なキーになる機材交換が機材の属人化を緩和して「個人のツール」から「会社の仕事道具」に変容させるのに役立つ。

5)専門分野における投資の必要性の理解。
一般業務におけるIT投資が鈍ると、専門分野でも鈍ってしまいがちである。これはITバブルの反動であり無計画な投資が行われたことによるが、専門分野におけるIT機器はもっと問題が切迫しており競争力そのものになってしまう。従業員のもつ能力を削るのは、この手の ”プロクルステスの寝台”である。


   
    

2011年2月13日日曜日

iPod touch (iOS4.2.1) JB

iPhoneに続いて、買ってしまったのがiPod touch 4G....
かなりiDeviceに魅せられていることは間違いない。
iPad2が出てきたら買う可能性が出てきた。

とはいえ、弄るのが趣味な人間だから、JBしないでいられなかった。

このiPod touchは、時期的にSHSHが得られず、いずれにしろ tethered JB という選択肢を取らざる得ない事態。 ちょっとイライラするだろうけど我慢。Cydiaが動かない、白アイコンになっちゃうなんてJB初心者はがっくりするだろう。とりあえずそんな状況でも抜け方があるので、4.2.1からのJB-ORZerは、過剰の期待しないで読むこと。

何をしたか?

まず状況チェック。 JB環境としては、iOS4.3bあたりを持っていさえすれば容易にuntetherd に成り得るが現状ではipswを入手していないのだから、4.2.1でやるしか無かった。

iPhone4で利用したお手軽なGreenPois0nは、どうもiPod/touch4G のiBootが出来ないらしく、redsn0w0.9.7b6を使ってみた。現状ではこれでしか書き換えられなかった。

まあ、MS窓環境で試してみようかと思うが、最近XPの実機環境に戻れないくらい快適な移行先の環境になってきたので、やらないかも。


・DFUモードとリカバリーモード

母艦としてWindowsXP環境しかなかった時点では、よく勘違いしていた点。 DFUとリカバリーモードは WindowsPC版のiTunesでは区別ができないし、そもそもWindowsPCでは、DFUなのかリカバリーなのかを見分ける簡単な方法がなかった。

無論、「iTunes→USB」というリカバリーを示すイメージが表示されるのがリカバリーモードだが電源が切れた状態でのリカバリーモード突入状態か、DFUなのかは、つないでみないとわからない。

手順を間違えれば、容易にリカバリーモードになってしまうし、ただの電源オンオフになることもしばしばあある。MacOSX環境があれば、つないだ時点で識別できるので便利だ。

スリープボタン(長押しで電源電源が切れる)ボタン、ホームボタン(丸)を次の手順で操作するとDFUになる。

1.iTunesが起動しないように、iTunesで当該iデバイス接続時のiTunes自動起動をオフする。
2.iデバイスの電源を切った状態で、USBケーブルで接続。
3.スリープボタン2秒押し
4.スリープボタンとホームボタンを同時押し10秒(液晶が、基盤ごとパワーオフされた瞬間光る)
5.スリープボタンを放すが、ホームボタンは押しっぱなし。15秒
6.画面が黒い状態がDFU状態。

DFU状態は、JBの際には重要なポイントだが、意味もわからないヤツにDFUさせるための手順をわざわざ
こったものにするのがJBツールの常らしく、DFUになっているかどうか確認してはいないようだ。
すでにDFUになっているが、JBツール側とのマッチングが取れてない場合には動かないものもある。

・IPSWとカスタムFW

カスタムFWについては、大して知識がないので割愛するが、Mac環境ではIPSWを展開して色々と準備作業をすることができる。おおかたのJBツールでは、アップグレードに使われるIPSWファイルに改変を加えて、Systemが最初から持っているipswローダ部分をまるごと使っている。最近ではアップルコンピュータの認証を得ないIPSWを流し込めないため、認証サーバを上手く偽造するツールがある。

いずれにしろiOSは、MacOSと互換性があるため、MacOS上でカスタムファイル、パッチャーを追加して流しこむのは楽だ。WindowsPCでは必須のUSB/TCPMUX機能を持つiFunBoxに相当する便利な道具はなく、iPhoneExplorerが今のところファイルのやり取りをするだけだが、まあそれなりに使える。

・TetherdJBとはなにか。

 要するに普通にJBプロセスして行くだけでは、機器の外に直接アクセスするような実行ファイルが認証されないモードになったように見える。インターネットブラウザのSAFARI、Cydiaのようなものが正常に起動しない。しかも、redsn0wでは、JB時に排他的な選択肢として「Tetherd」の選択ボックスを用意している.  つまり1回目には、本体のJBにつながるファイルの転送など、2回目にはTetherdJBを選択することで辛うじて使えるものになっている状況である。通常は2段階のJB関連作業が必要になり、この作業はシステムを再起動するたびに行わなければならない。


・Tetheredの罠

 非常に使いにくいのは、CydiaやSafariが無効になってしまうTetheredの罠である。Cydiaがアップグレードを要求した際にリブートしたのだが、この際も一旦半ばJBと同じDFUを経由して、TetherdJBとなる。これでは仮出所に近い。まあ、所詮、iPodは副次的な機材だし手軽な開発ターゲットとして家に置くのだから別に構わんのだが、気軽に電源も切れないのはちょっとどころの不便ではないようだ。

現に、SBSettingsなど必須アイテムをインストールする際にも発生する。シェルであるスプリングボードに直結するSBSettingsをインストールにしたら、もう再起動はしない。 この場合は、絶対に再起動時はDFUに落とし込まなくてはならない。 そして、その度に赤雪の世話になり「Tetherd Boot」を選んで動かせるようにすることになる。 最初の最初だけれど不便すぎるし、ココロ細いJB初心者はここで文鎮化したと判断して修理するかの判断を余儀なくされるはずだ。この改変時点でアップル社の意図通りで対JB作戦はかなり成功しているように思われる。


・しかもCydiaは相変わらず・・・・

配布している MobileTerminalが古いままなので動かない。結局Cydiaが動くかどうかというのは、Tetherdで有るか無いかを知るための道具に過ぎなかったような。 今や、業務的にもMobileTerminal/OpenSSH(daemon) が動けば、用事が足りてしまう私にはあまり関係ないかもしれない。MobileTerminal風な機能をAppleが用意してくれれば、JBなんてしないでそのまま使うんである。隠すというのはスケベごころをくすぐる悪いものと言おうか。

2011年2月12日土曜日

DHCP 漏れる

複数個のDHCPで管理されていたネットワークを統合するのは、
DHCPの設定をまるでパズルのように切り替えていかないとならない場合もある。